JRの規則には大都市近郊区間というルールがありまして、この区間に指定されたエリア内で電車を乗り降りする場合には、どういうルートを通っても最短距離で乗り降りしたものと計算する、というルールになっています。
まぁどういうルート、といってもいくつか制約があるわけですが(一筆書きでないとNG、とか)、これを利用する事で初乗り運賃でとんでもなく長い距離の旅ができる……というのはよく知られた話。



で、今年の3月から、大都市近郊区間の1つ、東京近郊区間の対象エリアが大幅に拡大されました。
一番大きいのは房総半島が丸ごと東京近郊区間のエリアになったこと。路線図を見ていただくと分かりますが、房総半島の東京湾側には内房線が、太平洋側には外房線が通っており、さらにこの2つの路線は蘇我~安房鴨川の間でループを形成しています。
ということは、蘇我から1駅行く運賃を使ってループの反対側を回れば、初乗り運賃で房総半島を一周できるじゃないか……! というのが今回のツアーの趣旨なわけです。


で、実際には内房線・外房線だけでなく、千葉県内のそれ以外の路線にも乗りたい、ということになりまして、最終的なルートは以下のようになりました。





20090510boso



全行程のタイムテーブルはこちら。総延長400キロ弱、実に10時間にわたる長大な旅です。
……同じ時間があれば福岡までいけるじゃないか、というのは無しで。



まずスタートは

Dscn2039_20090510_062312

最寄り駅の津田沼駅です。いつもはSuicaで乗るのですが、

Dscn2041_20090510_062426

今回は東船橋までの切符を購入。というのも、東船橋までの区間は通勤用定期の区間に含まれているため、運賃計算がややこしい事になるからです。ましてSuicaで出札しようとすると時間制限でアラームがなる(勿論、駅員に内容を説明すれば通れますが)ということなので、安全策をとって切符を購入、となったわけです。



まずは総武緩行線で千葉へ。

Dscn2043_20090510_064338

昔市原に住んでいた頃は東京への行き帰りによく千葉駅に下りたのですが、引っ越してからは随分とご無沙汰だったので、若干懐かしい気分。
……って、よく考えたら、半月前くらいに寝過ごして千葉駅に来てますね(汗

Dscn2045_20090510_065348

ここからは房総地区の雄、113系に乗って、まずは館山を目指します。正調な国鉄型車両も、183系が引退してしまった今、手軽に見れるのはここだけになりましたねぇ……。



千葉から館山まではおよそ2時間。6時に出ても着くのは9時近くになります。
君津あたりまでは住宅地帯なので、見るものといえば湾岸のコンビナートくらいですが、君津を過ぎると

Dscn2064_20090510_081348

こんな感じで東京湾沿いを走るため、大きく開けた海を眺めることができます。

Dscn2065_20090510_081354

海沿いの風光明媚な風景の中を走っていると、

Dscn2058_20090510_080840

中にはこんなものもあり。山の上にぴょこん、と出ているのは東京湾観音です。



電車に揺られること約2時間弱。最後の最後で線路内人立入で緊急停止、というアクシデントはあったものの、無事館山駅へ到着。定刻からはちょっと遅れましたが、乗り継ぎ予定の次の電車には無事滑り込むことができました。
まぁ、これを逃すと次は1時間、とかになってしまうので、多少遅れても接続をきちんと取るんですが。とはいえ急いで乗り継いだので駅の写真はなし。



Dscn2082_20090510_092702

安房鴨川へ向かう電車の車窓からも、広い海を見渡すことができます。で、この海はよく考えるともう太平洋なんですね。
地図を見ていただくと分かるんですが、内房線は館山の次の駅でぐいっといったん内陸へ入り、その後再び海岸へ出るときは太平洋沿いを走ることになります。最初これに気づかず「太平洋はまだかなー」などと思っていたという。

Dscn2086_20090510_093538

そんなこんなで安房鴨川駅到着。内房線と外房線の終着駅です。ここから出る列車は、ゆえにすべて上り。



Dscn2091_20090510_093714

ここからは特急……と思いきや勝浦までは普通電車となるわかしお号に乗って、勝浦駅を目指します。

そしてこの車内でお待ちかねの!

Dscn2095_20090510_094042

ばばーん、トンかつ弁当!
千葉駅の名物駅弁です。わざわざ千葉駅経由にしたのは、これを買うためでもあります。480円なり。

Dscn2096_20090510_094048

ていうか豚さんよ、あんたがそのフライパンで料理しているものは……(汗

Dscn2097_20090510_094108

中身はストイックなまでのとんかつ。駅弁というと豪華にするかオリジナリティを出すか、という路線に分かれますが、そんなのしらねぇよ俺は俺でやっていくよ、という雰囲気満々です。
コンビニ弁当と比べればお高いですが、旅情というものもあいまって堪能させていただきました。



Dscn2098_20090510_095226

食後はノートを開いて原稿書き。ここでもイーモバイルはつながります……が流石にトンネルの中はつながりませんでした。……とそこへ

Dscn2099_20090510_095254

行川アイランド!

上総興津と安房小湊の間に挟まれた、なんとも浮いた名前のこの駅は、バブル時代よりさらに前に作られ、それでもバブル組と同じように散っていったレジャー施設、行川アイランドの最寄り駅です。今はいい塩梅の廃墟になっているとかなっていないとかいう噂。

Dscn2101_20090510_095412

駅のほうはまぁ、ふつーの無人駅、という感じですね。ただこの写真からは分かりづらいですが、周りはぐるりと山に囲まれており、「アクセスのために無理やり作った」という感がひしひしと感じられます。



Dscn2103_20090510_095706

電車は房総半島の東側を走って行き……

Dscn2104_20090510_100838

勝浦へと到着。ここで乗り換えて次は大網を目指します、というところで次回に続きます。